制作環境の音量を見直す【ミックスマスタリング学園】

2025年が始まりましたが音楽制作、動画制作は順調に進んでいますでしょうか? 曲を作るにせよ動画を作るにせよ避けて通れないのがミックスという行程ですが、自分が作っているミックスの音が大きいのか小さいのかよくわからず迷ってしまうなんてことは意外と誰にでもあることなのではないかと思います。
年も明けたことですし、この記事では改めて制作環境の音量を見直して迷いなくミックスできる環境を手に入れる方法をご紹介します。
適切な音量でミックスしようと思ったらまずはメーターが肝心! メーターを見ながら各トラックの音量を決めていくべきと考える方もいるかもしれません。そしてそれは勿論一つの正しい考え方です。ただ、ここではもう少し簡単な方法でメーターを見なくても適切な音量のミックスに仕上げる方法を紹介していきます。おそらく過去の配信でも何度か取り上げたトピックですが、ご覧いただいている方も「ああ、アレね。知ってる!」みたいな感じで復習に役立てていただければと思います。
やることはとてもシンプルです。まずは「こんな感じの音量に仕上げたいな」と思う楽曲や動画、波形(リファレンス)を手元に用意します。
次にそのリファレンスを制作環境で再生します。再生デバイスはヘッドホンでもイヤホンでもスピーカーでも何でも構いません。
何も考えずに再生すると音が大きすぎてしまったり小さすぎてしまったりするかもしれませんので、リファレンスを再生しながら心地よく聞ける音量になるようにシステムの音量設定を調整します。この時再生プレイヤーのアプリケーションの音量を変えるのではなく、オーディオインターフェース等の再生機器の音量設定を変えて下さい。また、リファレンスが100%の音量(ファイル自体の音量のまま)で再生されていることを確認して下さい。
これで準備は完了です。人によってもしかしたらオーディオインターフェースの音量が-40dBかもしれませんし、-20dBかもしれません。ヘッドホンのボリュームが1時の方向を向いているかもしれませんし、10時の方向を向いているかもしれません。ただ、ここではそういった音量の数値や角度は気にしなくて大丈夫です。重要なのは、その音量設定のままミックスを行うことです。
これだけで、特にメーターを見ることなく適切な音量のミックスに仕上げることができるようになります。ミックスしていて例えばキックが小さいなと思ったら、オーディオインターフェースの音量を変えるのではなくキックのフェーダーを上げて下さい。システムの音量設定を弄ることなく音量に対する全ての操作をDAWの中で完結させる限り、最初に用意したリファレンスと似たような音量に仕上がります。
一つ注意する点があるとすれば、リファレンスにあまりにも音量の大きな波形を選んでしまうと、それに合わせて作業した時にDAWの至るところでピークが0dBを超えてしまうことでしょうか。あまりホットな環境でミックスするのは仕上がりが悪くなるだけでなくミックスの上達を阻害する大きな原因になるため、あまり音の大き過ぎるリファレンスを選ぶのは個人的には推奨しません。
というわけで、2025年快適にミックスを進行できるような音量の環境を手に入れてみて下さい。