Auroraの使い方【ミックスマスタリング学園】

Auroraは非常にシンプルで賢いリバーブです。リバーブをかけた時にありがちな「深くかけると濁ってしまうが浅くかけると物足りない」という問題を解決することができます。
Auroraをトラックにインサートしたら響きのアルゴリズム、音色をリストの中から選びます。アルゴリズムには
Hall、Room、Chamber、Plate、Cathedral、Ambience
の6つがあります。Cubase/Nuendoのユーザーの方はインサートしたトラックが意図したチャンネル構成(ステレオかモノか)になっていることを確認して下さい。
好きなアルゴリズムを選んだら、Reverbノブを上げていくと、響きが加わったことが分かります。Reverbを100まで上げきっても、ドライの音が消えることはありません。なので、Auroraは基本的にはインサートで使うのが便利でしょう。
リバーブの音だけを聴きたい場合はSolo Reverbボタンを押して下さい。
リバーブの音色をもう少し調整してみましょう。Pre Delayではドライ音が鳴ってからリバーブ音が鳴り始めるまでの時間差を、Decayではリバーブ音が鳴り始めてから鳴り止むまでの時間を設定します。どちらも、上げると部屋が広くなったように感じられます。
Widthではリバーブ音のステレオ幅の広さを調整します。右に動かすと左右に広がった音になり、左端まで動かすと完全にモノになります。Toneではリバーブ音の明るさを調整します。右に動かすと明るい音に、左に動かすと暗い音になります。
これでおおまかなリバーブの音作りは完了ですがリバーブをただかけると、特定の周波数においてリバーブ成分が意図せず盛り上がってしまうことがあります。これを自動的に検出し、動的にカットするUnmaskというスライダーがあります。
Unmaskを上げていくとこうしたリバーブのビルドアップが抑えられ、リバーブを深くかけてもドライ音が濁ってしまったりぼやけてしまうことが防げます。Attackではこのカットがかかり始めるまでの時間をReleaseではカットがかかり終わるまでの時間を設定することができます。SensitivityではUnmaskの感度、かかり始めるレベルを変えることができます。
そしてここのボタンをクリックするとUnmaskの処理を無効にすることができます。
また、隣の耳のアイコンをクリックするとUnmaskによってカットされた成分のみを聴くことができます。
更に、画面一番下のハンドルを動かすとリバーブ成分のみにかかるハイパスフィルター、ローパスフィルターのカットオフ周波数を変更することができます。
Auroraはとてもシンプルなリバーブプラグインですがその分気軽にかけることができます。あるトラックをちょっと響かせたいだけの時にバスを構築して細かいパラメータをエディットしてEQカーブも考えて…といった手間をかけずに手軽に済ませたい時に、またリバーブの様々なパラメータや複雑な構成に慣れておらず毎回プリセットで済ませてしまう方も是非試してみて下さい。