Auroraが無くてもUnmaskしたい【ミックスマスタリング学園】

昨年リリースされたお手軽リバーブAuroraのに搭載されている便利機能「Unmask」によって、音を濁らせずに深くリバーブをかけることが容易になりました。しかしお気に入りのリバーブは人それぞれですし、誰もがAuroraの響きだけで満足できるかと言うとそうでもありません。
本記事では、Neutron 5のUnmaskモジュールを使ってAurora以外のリバーブでも擬似的にUnmask機能を堪能する方法をご紹介します。
使うリバーブは何でもOKなのですがここではSymphonyを使ってみましょう。Symphonyの使い方についてはこちらの動画をご覧ください。
先に手順を簡単に説明すると次の通りです。
- バス、AUXトラックにリバーブをインサート
- そのリバーブの後ろにNeutron 5のUnmaskモジュールをインサート
- Unmaskモジュールのサイドチェイン入力を有効化
- 元のドライのトラックからUnmaskモジュールにセンド
- Unmaskモジュールのパラメータを調整
こうすることで、リバーブを通った信号の中からドライな信号が干渉している成分をカットして元のドライな信号をクリアに聴かせることができます。
まず、リバーブをインサートで使ってしまうとUnmaskモジュールへのサイドチェイン接続ができないのでバス、AUXにリバーブを立ち上げます。この時のリバーブは通常センドでかける時と同じようにWet 100%で大丈夫です。
Wetは100%にしておく
Unmaskモジュールはリバーブの手前ではなく後ろにインサートするようにご注意下さい。手前に入れるとセンド元の信号とUnmaskの入力が全く同じ信号になってしまいます。好みに応じてUnmaskとリバーブの間やUnmaskの後、リバーブの手前にEQやコンプレッサーを入れてしまっても問題ありません。
Unmaskは必ずリバーブよりも後ろに
Unmaskモジュールはサイドチェイン入力の信号と通常の入力の信号を比較して処理を行うため必ずサイドチェイン入力を有効にしてください。サイドチェインの使い方はDAWによって異なるため、お使いのDAWのマニュアルをご参照下さい。
Cubase/Nuendoであればここをクリック
次はドライのトラックからUnmaskモジュールにセンドします。この時のセンド量は0dBのままで特に問題ありません。
あとはUnmaskモジュールのパラメータを調整するだけです。Unmaskモジュールの使い方はこちらの動画をご覧ください。
もし複数のトラックから同じリバーブにセンドする場合はセンド元の全てのトラックからUnmaskモジュールにサイドチェイン入力する必要があります。この時は、若干手間ですがリバーブへのセンド量とUnmaskへのセンド量を同じにしておくとリバーブへの入力とUnmaskへの入力の音量バランスが同じになるのでAuroraでUnmaskスライダーを使うときと同じ効果を得ることができるでしょう。
このように、必ずしもAuroraを使わずともUnmask処理を行うことは可能です。ただし設定が煩雑になることは否めないため、手軽に使いたい場合はAuroraを、リバーブの音色まで細かく作り込みたい場合はUnmaskモジュールの併用も検討する、みたいな使い方が良いのではないかと思われます。