Neutron 5のコンプレッサーをドラムバスに使う【ミックスマスタリング学園】

ドラムのサウンドを磨き上げるために重要な役割を担うコンプレッサーですが、ドラムバスに使って全体の馴染み具合、混ざり具合を整えることに使うこともできます。本記事ではNeutron 5のCompressorモジュールをドラムバスに使ってドラムが楽曲全体の中で飛び出してしまっている問題を解消する例をご紹介します。
まずはドラムバスにNeutron 5 Compressorをインサートしてみましょう。この段階ではThresholdが十分に高いため、極端なゲインステージングを行っていなければここでコンプレッションが強くかかることは無いと思います。もしこの時点でコンプレッションが強くかかってしまう場合はゲインステージングを見直すかCompressorの入力ゲインを下げてください。
既にコンプレッションがかかっている場合は入力ゲインで調節可能
Compressorには様々なパラメータがありますが、まずは音量の自動補正を切りましょう。これがONになっていると、コンプレッションがかかった分だけ音量が持ち上がってしまうためです。
赤い四角の部分をクリックし音量の自動補正をオフに
音量の自動補正を切ったらとりあえずThresholdを下げてみましょう。ピークに引っかかるところからコンプレッションがかかり始めるので、ドラムがバンドの他の楽器と足並みが揃うところまで下げていきます。
この時点で目的が達成されていればここで終わってしまっても大丈夫ですが、ドラム全体の音色、質感についてもう少し突き詰めたい場合はAttack、Release、Ratio、Kneeを調整していきます。
微調整する時に触るコントロール類
Attackを下げればよりドラム(特にスネアとキック)は引っ込みますし、上げればコンプ感は薄くなります。Releaseを上げればコンプ感が強まりますし、Releaseを下げればコンプレッションからすぐに復帰するため、抑え込まれた感の薄い開けた音になります。
よりパッツパツに潰した感じにしたければRatioを上げたりKneeを下げればいいですし、より音色変化の少ないかかり方が好みであればRatioを下げたりKneeを上げればOKです。
これらのパラメータを組み合わせてドラム全体の音色をケアしつつバンドの中でのドラムの立ち位置や距離感が良いところに収まったらバスコンプとしてはゴール達成です。
もしスネアはちょうどいいところに収まったんだけどキックやフロアタムが引っ込んでしまった場合はサイドチェインフィルターが有効です。サイドチェインのハイパスフィルターを有効にしてカットオフ周波数を上げると、コンプレッサーがハイパス済の信号をトリガーにしてコンプレッションをかけるようになるためキックに反応しづらくなります。
これにより、スネアやハイタムはしっかり抑え込むがキックのローのふくよかさには干渉しないコンプレッサーの設定にすることができます。
オレンジの点を動かしてサイドチェインフィルターの形を調節
このように、ドラムバスにNeutron 5 Compressorを使うことでアンサンブルの中でのドラムの立ち位置や距離感、質感を手早く整えることができます。