EquinoxとNeoverbの違い【ミックスマスタリング学園】

iZotopeにはフラッグシップリバーブEquinoxの他にNeoverbという、こちらも高機能なリバーブプラグインがあります。本記事では、これらが持つ機能的な違いと使い分けについて解説します。
まずコンセプトというか使い勝手、触り心地に大きな違いがあり、Neoverbは直感的な音作りに特化しているのに対しEquinoxは全てを細かく設定したい拘り派の人向けの作りになっています。
Neoverbの特徴として
●Reverb Assistant
●ブレンドパッド
が挙げられます。
Reverb Assistantでは、従来のリバーブのようなリバーブタイム、プリディレイといったパラメータでリバーブをデザインするのではなく「長い/短い」「明るい/暗い」「リアル寄り/演出寄り」と言った形容詞的なパラメータに従って音作りできる他、リバーブが邪魔になってしまう帯域を自動的に検出してカットしてくれる機能もあります。
Reverb Assistantの画面。難しいことを考えずにリバーブの音色を決めることができる。
また、Neoverbの中では3種類のリバーブアルゴリズム(初期反射、短めのリバーブ、長めのリバーブ)が動作しているのですが、ブレンドパッドの上で音を聞きながらマウスでポイントをぐりぐり動かすだけでこれら3つのバランスを調整することができます。
画面中心のおにぎりのような形の部分がブレンドパッド。丸い部分をマウスで動かすことで直感的な音作りが可能。
それぞれの役割を意識しながら1つずつ調整していくことが難しい方であったり、とにかく早くおおまかな正解にたどり着きたい人には非常にとっつきやすいインターフェースだと言えます。
一方Equinoxはあらゆる細かなパラメータにアクセスしてリバーブを作り込みやすいUIになっており、事実非常に細かくリバーブの音色を作り込むことができます。
ある程度詳細なパラメータが最初から表面に表示されているEquinoxのUI
Neoverbに無い機能としてコンプレッションやドライブ、ゲートといったエフェクトが搭載されているだけでなく、マルチチャンネル対応や動的なUnmask機能など機能面でもより充実していると言えます。
動的なUnmaskやマルチチャンネルにも対応
とはいえ共通している部分もあり、根底にあるリバーブのエンジンはいずれもExponential Audioのものを踏襲しており、音作りに使うパラメータも並べて見比べてみると同じ文言であったり同じ働きをするものが随所に見られます。
Neoverbの詳細設定画面を開くとEquinoxほどではないがかなり細かくリバーブをエディットすることが可能
EquinoxとNeoverb(ついでにAuroraも)の違いを若干無理やりですが表にまとめてみました。どのシチュエーションでどれを選ぶか、選択の一助になれば幸いです。
Neoverb、Equinoxの使い方は動画でも解説しているので、そちらも併せてご確認下さい。
動画解説リスト