順番を入れ替えても大丈夫なエフェクト【ミックスマスタリング学園】

今日は少々マニアックなトピックです。
DAWで音楽をミックスする時我々は様々なエフェクトプラグインを組み合わせることができます。エフェクトと一言に言ってもEQやコンプレッサー、リバーブ、ディレイ、コーラス等多種多様のものがありますし、こうしたトラディショナルなプロセッサーにカテゴリー分けしづらい先進的なものもAIの発達とともに増えてきました。
そして我々はこれらのプラグインを挿す順番を意識的に、また無意識のうちに決めながらミックスしています。最も頻繁に議論されるのがEQとコンプレッサーの順番ですが、この組み合わせに限らずあらゆるプラグインには順番が交換可能であるものとそうでないものがあります。
勿論、どの組み合わせ、どの順番にも意味があり、一概にどうするのが正解と言える順番はありません。それぞれが異なる効果を持ち、異なる意図を持って選ばれるべきものです。
ここでは、エフェクトを入れ替えた時に起きる効果…ではなく、入れ替えても結果が変わらないエフェクトについて言及します。
先に結論を言うと、静的なエフェクトは順番を入れ替えても大丈夫です。つまり
- 入力によって結果が変わらない
- かかり方が時間変化しない
タイプのエフェクトは順番を前後させても結果に影響が出ません。こうしたエフェクトの例として
- EQ
- ボリューム
- パン
- IR
が挙げられます。これらは順番を前後させても結果に影響は出ません。
IRが順番を入れ替えられるということは、IRリバーブ(ただIRを畳み込むだけのもの)とEQは順番を前後させても基本的には結果が変わらないということです。ちょっと意外な感じがしますね。アルゴリズム系のリバーブは入力に依存するためEQと順番を入れ替えると結果が変わります。
リバーブに限らず、ギターやベースのスピーカーIRとEQもまた入れ替えることができます。お使いのアンプシミュレーターの中でEQブロックをスピーカーIRの手前に置くか後ろで置くか悩まれた方は、どちらに置いても大丈夫ということを覚えておくと安心です。
一方で、EQの中にも順番を入れ替えるのが危険なものが存在します。それはアナログハードウェアをモデリングしたEQです。アナログのハードのEQは順番を入れ替えると同じ結果にはなりません。順番を入れ替えればゲインステージングが変わりますし、それぞれのヘッドルームの違いも影響します。プラグインのEQでも、これらのアナログの性質を十分に再現したものであればあるほど、(理屈の上では)順番を入れ替えた時に結果に違いが出るようになります。
まとめると、エフェクトの順番を入れ替えると同じ結果にならない組み合わせがあるのは広く知られていることですが、その中でもデジタルEQやIRといった静的なエフェクトについては順番を入れ替えても結果が変わらないと覚えておくと、ミックスしている最中のストレス、心配が一つ減るのではないでしょうか。
2026年もミックスをお楽しみ下さい!