チュートリアル

RXの練習方法【ポスプロ学園#21】

2023.10.18

プロMAミキサーの方々はRXの使い方を仕事の素材から経験を積んでいくことが可能ですが、それ以外のセクションのエンジニアやアマチュアの方々は、どのようにRXをマスターしていくか苦労されている方もいらっしゃると思います。
どのようにRXの経験値をつんでいくのが良いか、考えていきましょう。

練習をするための素材

RXをマスターするためには経験をつむことが一番の方法です。ノイズ処理をした回数が多ければ多いほど、RXの理解を深めることができます。そして、経験を積むためにはその素材が必要です。しかし、実際の作業を始めるときに練習をすると、作業完了するために時間を要してしまい、作業効率が低下してしまします。ですので、実際の作業を始める前に別の素材を用意して、練習しておくことをお勧めします。
練習用の素材をどのように用意する前に、RXでどのような作業をしたいかイメージしておくことが大事です。バックグランドノイズを軽減したいのか、部屋の響きを軽減したいのか、リップノイズを減らしたいのか、人によって目的は様々です。先ずは想定される作業をイメージし、そのシチュエーションに近い素材を用意するようにしましょう。その際、ほしい素材をリスト化しておくのが良いでしょう。

素材の収集方法

どんな素材が欲しいかイメージできたら、実際の素材を用意しましょう。では、どのように素材を手に入れるのが良いでしょうか?動画サイトなどから探すのは簡単ですが、権利の問題などもあるので注意が必要です。私が日頃しているのは、スマホやレコーダーで、実際に録音・録画してくることです。自分で録音して素材を用意できれば、自分のイメージに近い素材を手に入れることも可能です。是非自分で録音した素材で練習することに挑戦してみてください。

バックグラウンドノイズ処理のための素材

バックグラウンドノイズにも色々あります。エアコンなどの空調ノイズや屋外での街の雑踏など、音の強さも色々あります。
素材を録音する時のポイントは、マイクと音源までの距離です。音源までの距離が近ければ、バックグラウンドノイズの軽減をする際に、良い結果が得られることが多いと思います。しかし、音源までの距離がある場合は、RXを使用しても難しい場合があります。素材を録音するときは、様々な距離の音源を録音しておくことをお勧めします。そのことにより、どの距離感の素材までだったらRXで処理することができるか、経験から判断することができるので、本番の素材を収録する際にも、どの範囲がOKかNGか判断することができます。同じシチュエーションで複数のマイクポジションの素材を録音するようにしましょう。
練習するときは、「Voice De-noise」「Repair Assistant」「Spectral De-noise」。Advanceを使用している方は「Dialogue Isolate」なども試してみると良いでしょう。

部屋の響きを軽減する為の素材

部屋の響きをするための素材を録音する際も、音源からマイクの距離に配慮した素材を録音するようにしましょう。バックグラウンドノイズ同様、距離の違う音源をいくつか録音するようにしましょう。
「Dialogue De-reverb」「De-reverb」「Repair Assistant」などで練習してみましょう。

最後に

自分で練習用の素材も録音することによって、本番の素材を収録・録音する際に、どのレベルまでがOKかNGかも判断できるようになるので、RX初心者の方は、スマホやレコーダーなどで収録・録音した素材で経験を積んでただけたらと思います。