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iZotope RX 10 Ambience Match活用術② – ベースノイズをカスタマイズ【ポスプロ学園#7】

2023.04.05

iZotope RX 10 Ambience Matchはグランドベースを生成し、グランドベースの音を他のグランドベースノイズに合わせることができます。更に、生成したアンビエンスをカスタマイズして、今までと違うアンビエンスを生成することも可能です。

「Static」と「Complex」2つのアンビエンスタイプ

RX 10のAmbience Matchには「Static」と「Complex」という2種類のアンビエンスタイプを生成することができます。 この2つの違いは変化のあるアンビエンスか、変化のないアンビエンスを生成するかの違いになります。

「Static」が有効なシチュエーション

Staticは変化のないアンビエンスを生成するためのアンビエンスタイプです。エアコンなどの空調ノイズや、草原など音の変化が少ないアンビエンスを生成する場合には、このStaticを選択するのが良いでしょう。
その他、効果音としてベースノイズをテレビドラマや映画に使用する際、人の動きなどがあるベースノイズを使用していたときに、同じ音質で動きのないベースノイズを作りたいときにも、Staticでベースノイズを加工すると、簡単に動きのないベースノイズにすることができます。

「Complex」が有効なシチュエーション

「Complex」は変化を残したアンビエンスを生成することができます。雨の音や足音など、Staticでは難しかったアンビエンスを生成することができます。

「Complex」でのパラメーターの設定

Complexでは、アンビエンスを生成する際に必要な設定がいくつかあります。
一つ目は、「Ambience threshold」の設定です。このパラメーターを変化させることによって、アンビエンスと声の成分の分離具合を調整することができます。もし、Learnをする際に、アンビエンスを含まない部分でLearnができる場合は、この設定はしなくてもアンビエンスを生成することができます。
「Movement」は生成するアンビエンスの動きを調整します。
「Randomness」は生成するアンビエンスの変化量を調整します。
各パラメーターを調整して、生成するアンビエンスのイメージに近づけるのが良いでしょう。

 

プリセットを活用する

Ambience Matchにはバックグランドノイズを全く違う音に変化させることができるプリセットが数多く用意されています。
音声を録音した場所と全く違う場所にすることも簡単にできますし、バックグランドノイズが気になる際に、De-noiseで無理してノイズを減らすより、Ambience matchのプリセットなどを利用して、音声処理をする方がきれいにいく場合もありますので、状況に応じて活用してみてください。

Ambience Matchには前後の音を揃える以外にも、アンビエンス自体を変えてしまう機能も備わっていますので、MAミキサーさんだけでなく、音効さんやYouTuberさんにも是非活用して頂けたらと思います。