Plasmaの使い方【ミックスマスタリング学園】

iZotopeから新しいサチュレーションツールPlasmaがリリースされました。PlasmaはAIの力を使って、ソースの楽器やバスの音に合わせた最適なチューブサチュレーションを動的に加えてくれます。
Plasmaをインサートしたら左側のFlux Saturateをぐいっと上げてみましょう。すると、サチュレーションが加わるのがはっきりと音で感じられると思います。
では、このサチュレーションをソースに適したキャラクターにしましょう。プリセットの中からどんな楽器、またはバスにかけるかを選びます。先程はMaster balancedだったのでMaster Warmを選んでみましょう。
ターゲットを選んだらFlux Saturateを上げていくと、その楽器やバスのキャラクターに適したサチュレーションが加わります。先ほどよりも温かみのある音になったのが分かると思います。過激な歪みを加えるのか、さりげないサチュレーションを加えるかはFlux Saturateの数値で調整できます。
サチュレーションをかける周波数の範囲は左右のハンドルをドラッグすることで調整することができます。
AttackとReleaseではPlasmaによるサチュレーションがどれくらい速くかかり始めるか、またかかり終わるかを設定します。
Plasmaは入力信号のレベルによってサチュレーションの仕方が変わりますが、Overdriveを上げることでより過激なサチュレーションを発生させることができます。Overdriveはある意味Plasmaの入力段のゲインを稼ぐようなものだと思ってもらって大丈夫です。ギタリストであれば、ギターアンプのゲインを上げるのとアンプの手前にブースターを繋ぐのとでは音が違うというところから直感的にこのOverdriveの機能を感じ取ることができると思います。
Plasmaによるサチュレーションはステレオ、Mid/Sideの他、TransientとSustainに分離してかけることもできます。
DeltaボタンをクリックするとPlasmaによって加えられたサチュレーション、つまり信号の差分のみを聞くことができます。また、その隣のBypassボタンを押せばPlasmaをバイパスできます。
このようにPlasmaを使うことで少ない労力でいい感じにすることができます。本記事ではマスターバスにかける例で解説しましたが、ギターやボーカル、ピアノ等楽器にも使ってみて下さい。