FXEQのSaturateとNeutron 5 Exciterの違い【ミックスマスタリング学園】

FXEQのSaturateとNeutron 5 Exciter、いずれも音に歪みを加えている点では共通していますができることが異なります。
まず、加えられる歪みの音色に違いがあります。FXEQには赤で囲んだ部分の8つの歪みの音色があるのに対し、

Neutron 5 ExciterにはClassicとTrashという2つのモードがあり、Classicの方がさりげない歪みを加えるのに対してTrashモードでははっきりとわかりやすく歪みを加えていきます。

モードを選んだらすぐ右のX-Yパッド上で4種類の歪ませ方をブレンドして音色を決めていきます。Classicモードには
- Retro
- Tape
- Tube
- Warm
の4種類の歪ませ方があり、Trashには
- Overdrive
- Scream
- Scratch
- Clipper
の4種類の歪ませ方があります。

FXEQとNeutron 5いずれも合計で8種類の歪みがありますが、その音色や調整の方法が異なります。
FXEQは全帯域に対して一斉に歪みを加えるわけではなく、まるでEQをかけるように特定の帯域のみに歪みを足していく感覚でかけることができます。

オレンジ色で示されているEQカーブに従ってSATURATEが加えられます。なので、歪みの音色のみならずそのかかり具合、帯域のバランスを自在にコントロールすることができるのがFXEQの利点です。例えば低域が歪み過ぎて潰れるのを防いだり、高域が歪み過ぎてうるさくなるのを防げます。
Neutron 5 Exciterは基本的には全帯域に歪みを加えますが、最大3バンドまで切り分けて使うこともできます。

これでFXEQとある程度似たような処理ができます。帯域ごとにかける歪みの音色を加えることができるのがポイントですが、一度フィルターで帯域を切り分けているため、その時点で特にクロスオーバーの帯域付近で音に変化が現れる点に注意が必要です。
加えられた歪みの成分だけを試聴したい場合はFXEQではFX Onlyボタンを、Neutron 5 ExciterではDeltaボタンを押して下さい。


歪みが加わった影響で倍音が増えて折り返し雑音が生じてしまう場合は、いずれもOversampleを有効にすることで解決できます。


このように、FXEQとNeutron 5 Exciterはいずれも歪みを加えていくという性質において共通していますが、歪みを作り出す過程、ワークフローや音色そのものに違いがあります。適材適所で、トラックに必要な歪みを作り出してみてください。